★吟に対する「3つの構え」には次の3つがある
即ち、「1、心の構え 2、気構え 3、体の構え」であり
この3つが、三位一体となることで気品の高い吟となると述べました。
★吟道は「3つの要素」で成り立っている
即ち、「1、詩は文学 2、声は音楽 3、心は哲学」である
この3つが、三位一体となることで聴いてる人に共鳴する格調の高い吟となる。
【中和の徳を養い、気質の偏を救うとは】
吟道精神には、「朗吟は――其の中和の徳を養って気質の偏を救うものなり」とあります。
この「中和の徳を養う」ということは、右にも左にも偏らず、調和のとれた人格を養うということであり、祖宗範木村岳風先生も「吟道は人間修養の道なり」と説かれております。
また、「気質の偏を救うものなり」とは、人間誰しも持って生まれた性格(気質)があり、それが一方へ偏りすぎることの無いよう吟道を学ぶことによって正すことが出来るということに尽きます。
本来、詩は文学であり、声は音楽であり、心は哲学であります。
この三つの要素が調和して、三位一体となるとき、即ち、文学的・音楽的・哲学的内容が一つに包含される精神力によって、声という表現手段になり、それを瞬時に発揚されるとき、その吟声は大いなる感動を伴って、聴く者の心に共鳴し、悠久の歴史に遊び、先哲の訓えに接し、人格の陶冶、そして完成へと導かれて行くのです。 |